トップページ > 解説:スキンケアの基礎知識「ケラチン、自然保湿因子、脂質の協同作業」

美肌のための必需品と言える美容液ですが、「何となく良さそう」「知っているブランドだった」「好きな芸能人が使っていた」と言った、曖昧のイメージで選んでしまっている人も多そうです。毎日使うものですから、ちゃんと効果があるものを選びたいですし、特に美容液は「お安くない」商品が多いだけに尚更です。

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ケラチン、自然保湿因子、脂質の協同作業

さて、ケラチンは、表皮の角質層をつくっているタンパク質です。

動物の毛、ツメ、ウロコ、羽毛などもまたケラチンからできています。すなわち、動物の体の表面にあって、硬くて水に溶けない構造体をつくりあげているタンパク質です。

表皮細胞を、ケラチンのもと(前駆体)という意味でプレケラチンとよぶこともあります。

表皮細砲の中のプレケラチンは適当な溶媒で溶かし出すことができます。

そうすると、分子量4万から7万ぐらいの10種類以上のタンパク質からできていることがわかりました。

このタンパク質は、システインを含んでいます。システインというアミノ酸は、シスチンに姿を変えてタンパク質の鎖と鎖の聞をつなぐ橋かけをつくることができるのですが、プレケラチンの中のシステインは橋かけをつくっていません。

ひとりものの状態です。それが、時を経て角質層に達するようになると、別のシステインと結合してシスチンの状態になっています。そうして、いろいろな溶媒に溶けない安定な構造体をつくり上げているのです。

もっとも、表皮のケラチンのシスチン含量は、ツメや毛髪やウロコのケラチンのシスチン含量よりも、ずっと少ないです。表皮ケラチンのシスチン量は、全アミノ酸の1パーセントぐらいですが、人の毛ケラチンのシスチン量は16パーセント近くもあります。

これが、ツメやヒヅメやウロコにくらべて表皮がそんなに硬くならない理由でしょう。

また、表皮のケラチンは、橋かけなどのおかげで水には溶けませんが、グルタミン酸、アスパラギン酸、セリンなど、水となじむ性質のアミノ酸をたくさん含んでいます。それゆえ、ケラチンでできた角質層は、水をたっぷり含むことができるのだと考えられます。

しかし、ケラチンについては研究が十分すすんでいないため、わからないことが多いです。

たとえばケラチン線維を構成するタンパク質は、10種類以上あるのですが、それぞれがどのような働きをもっているのかわかりません。

ケラチンの線維の立体構造も、モデルがいろいろ提出されてはきましたが、まだはっきりしません。水の保持という点についても、もっと研究をすすめる必要があります。

角質層の水の保持については、ケラチンの他にも重要な働きをする因子があります。というのは、角質層の水はただの水ではなくて、いろいろな物質を溶かしこんで乾燥しにくい状態の水です。

角質層の水の中に溶けている成分を含む液を人工的につくって実験をしてみると、水をかかえこんで、水分の蒸発を防ぐ性質をもっていることがわかりました。

そこで、角質層の中のこれらの成分を自然保湿因子とよんだりしています。

このうち、ピログルタミン酸は、アミノ酸の一種と考えてよいです。

まとめると、ケラチンを主体とする線維の聞に自然保湿因子を溶かしこんだ水が貯えられ、さらに脂質の層がはさみこまれているのが角質の姿です。この三者の協同作業によって水は保持され、みずみずしい肌がつくられるのです。

(続く)

さて肌を美しく保つための美容成分としてはお肌のうるおいを維持してくれるヒアルロン酸や、若々しい肌の材料となるコラーゲンなどが有名です。

当サイトではこうした成分が入った美容液を様々な角度から比較しています。

本当に役立つ美容液を探している方は参考にしてみてください。

管理人(薬剤師)

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